吾輩は処女である〜痛くて挿入ができないことに真剣に悩む処女の話〜

痛くてできない。みんなどうやって乗り越えてるの。

吾輩は処女である

吾輩は処女である。挿入経験はまだない。
どうして挿入ができないのか見当がつかない。
21歳の時初めて出来た彼氏とそういう雰囲気になりアンアン喘がされた記憶はある。我輩はここで初めてちんぽというものを見た。
しかしそれは後で聞くと仮性包茎という奴だったそうだ。
この初彼と吾輩は性交するためホテルへと入った。
当時は性交がこんなに痛いなんて考えもなかったから別段恐ろしいと思わなかった。
挿入の前にただ己の掌でちんぽを握りシコシコ上下にして、硬くしていく。
この時妙な行為だなと思った感じが今でも残ってる。第一見た目がグロテスクだ。それがどんどん怒張していく。
そうして先端からドピュドピュと白濁液を出す。どうも嫌な臭いで実に弱った。
これがごっくんAVでは必ず女優が飲む『精液』というものである事をようやくこの頃知った。
さて、『吾輩は猫である』の冒頭文章をパロディとして書いているのにも大分疲れてきた。
いざ、挿入という段になり、初彼がちんぽを吾輩のまんこに押し当てた瞬間、吾輩は初彼の腹を思い切り蹴り上げ叫んだ。

「いや、ちょっ、本気で痛いから!!」

あれから五年、一度も性交しないまま吾輩と初彼は別れた。

 

私は26歳にして5年間付き合った彼氏とも、今付き合って半年の彼氏とも一度もちんぽが入らないという悩みを抱えている。
性的なトラウマがあるとかそういうのではない。
いや、緊張してるとかもあるし、恥ずかしいのもあるけど、ただただ痛いのに耐えらない。
最初に付き合った彼氏は上手くいかないうちに私との性交に諦めた。
こんな悩みを抱えている時、話題作である
『夫のちんぽが入らない』を買った。
きっと私と同じで処女で結婚したのに夫のちんぽが入らないという悩みを抱えている妻の話だろうと思った。
帰って早速本を読んで衝撃を受けた。

この人、確かに『夫のちんぽが入らない』けど、夫以外のちんぽは入った経験はあるのだ。

「私と同じ悩みの人の話かと思ったらこの人非処女じゃねーか!裏切られた!畜生!」
と思った。
本としてはとても面白かった。
ただ、今の彼氏とも前の彼氏とも入らない私には参考にならなかった。

それから間もなく最初の彼氏と別れた。
その経緯はお互いハッキリ口にしなかったがセックスを一度もしなかったというのもやはり理由の一つだったと思う。

今の彼氏にはそれを伝えて「自分達のペースでゆっくりやろう」と言ってもらえた。

ネットで同じ悩みを読むと『ちゃんと濡らせ』
だの『ローション使え』だの出てくる。
その度に「とっくにやってるし、ローションも使ってるわ!」と思う。
『角度を変えると良い』という話を聞くとすぐ試した。
やはりダメだ。枕を使ったり、体位を変えても何もならなかった。
『フェミニーナ軟膏塗ると痛みが消える』という話を聞くと薬局に走って買いに行った。
効果はなかった。
『お酒を飲むと緊張が紛れる』と聞けば毎回飲むようにした。
緊張はしなくなり、涙腺は緩んだが、股は緩まなかった。
性器挿入問題に関するサイトは殆ど見尽くした。
ごく稀に処女膜が硬すぎる女性がいるとのことだったが、指が二本入る私はその限りではないようだ。
ネットの結論は『多少痛いのはしゃーないから頑張って☆』みたいなことだった。
でも、痛いんだよ。
みんなこの痛みに耐えてるの?
何?皆そういう訓練してるの?
これが付き合って最初の一ヶ月とか、学生カップルならまだ可愛げがある。
もう二人共四捨五入すると30になる、アラサーである。
今時中学生や高校生、は勿論小学生までやっていることが何でアラサーの私にできないんだ。

私も、付き合っている人以外のちんぽなら入るのかな。
そんなことを思ってしまうのです。